紛争の内容
ご依頼者の方は、個人事業主から法人成りをされて事業を営んでおられました。
しかし、事業を行うにあたり、事業資金の資金繰りに窮し、事業の運営を行うことが困難であると判断し、相談にいらっしゃいました。
当事務所にお越しいただく前にも法的な整理を行うために弁護士に依頼するなどされていましたが、整理をするには至りませんでした。
今回、法人と共に代表者の方自身も債務整理をするべく、当事務所にご依頼いただきました。

交渉・調停・訴訟等の経過
法人を営んでおられたため、売掛金など会社の財産状況を詳細に聞き取るとともに、決算書などを精査し、会社の財産状況についてまとめました。
法人として、売掛金がある状態でしたが、その債権が債権者による差押えの対象となっている旨の情報を入手したことから、迅速に申立てを行うこととしました。
申立てに必要な書類をできる限り早期に整え、申立てを行いました。
また、個人としても、法人の債務を保証しているほか、借り入れがあったため、個人についても破産をするべく申立てを行いました。

本事例の結末
差押えが行われるまえに、申立てを行い、開始決定がでたことから、差押えによる財産の減少を防ぐことができました。
開始決定後も手続きを進行させるために、資料を集めたりなどの作業を行った結果、法人についても個人についても破産手続きが無事に終了し、個人について免責許可の決定がでました。

本事例に学ぶこと
すでに債務整理を検討して弁護士を介入させたものの、うまくいかなかった場合でも、再チャレンジすることで法的な整理を行うことが可能なこともあります。
また、差押えがされそうな場合には、迅速に債務整理の申立てを行う必要があります。
迅速に申立てを行うことで財産の散逸を防ぐことができます。

弁護士 野田 泰彦
弁護士 遠藤 吏恭