紛争の内容

Aさんは、公安委員会の古物商許可を得て、店舗を借りてオートバイを仕入れ、実店舗やオークション等で販売することを業とする会社を営んでいました。しかし、負債は1400万円に対して、赤字決算に陥り、その他の事情も相まって、法人・代表者個人ともに破産することにしました。

交渉・調停・訴訟などの経過

受任後、速やかに明渡しをする物件の現地調査を行ったほか、債権者全員に受任通知を提出し、債務情報の収集を行いました。管財人業務として必要になる箇所については、あらかじめ報告書を作成・提出し、スムーズな進行が図られるよう段取りをして、破産手続を裁判所へ申し立てました。法人の破産では必ず破産管財人が選任されますので、破産管財人選任後は、速やかに書類の引継ぎ、破産管財人との面談を行い、その後も質問等があれば、調査の上、必要十分な回答をします。本件は、法人のお金の流れがやや不透明なところもあったため、分かる範囲で詳細に回答をしつつ、申立人代理人としての法的見解を添えて、報告するなどしました。

本事例の結末

配当に回せるだけの資金は確保できませんでしたが、有難いことに、債権者からの大きな反対もなく、数回の債権者集会の後、無事に破産手続が廃止されました。個人についても、免責許可が下り、個人の負債についても弁済をする必要がなくなりました。

本事例に学ぶこと

破産手続は、申立てをすれば終了ということではありません。特に法人破産では、破産管財人による必要な調査、財産の換価・処分等が見込まれますので、当然、その間は一定の時間が掛かります。この間に不測の事態が生じることもあります。
重要なことは、破産を申し立てたからといって決して油断せず、常に、裁判所や破産管財人から観察されているという意識で、生活の立て直しに取り組んでいただきたいということです。
個人の方も、過去における浪費をはじめとする「免責不許可事由」に該当するとしても、真に経済的更生を目指し、反省し、慎重な態度で生活をしていれば、「裁量免責」を得る機会もあります。
くどいようですが、破産手続は、破産手続開始から廃止・終了、さらには免責許可・同確定まで、一定の時間を要します。その間、私たちが代理人となれば、必要な助言等を行いつつ、管財人経験等も生かして、破産手続に協力しますので、破産手続が無事に終了するまでサポート致します。