破産に至る経緯
ある材料の加工業者様からのご相談でした。
手形を回してもらう等により資金的融通を受けていた取引先が破産手続を申し立てたため、手形の不渡りを出してしまい、これ以上の経営は難しいと考えている、という内容でした。
検討した結果、経営再建の可能性は乏しいと判断したため、法人及び大口債務の連帯保証人であった代表者様の破産手続申立てを受任しました。

破産申立てまでの経過
50社程度の債権者に受任通知を発するとともに、財産関係の調査を開始しました。
賃借物件である事務所兼工場には在庫品、備品、工作機械等が残存しておりましたが、保管費用等との兼ね合いから破産手続申立てに先行して明渡しを行うこととしました。なお、従業員はおりませんでしたので、労働関係の手続は不要でした。
存在する限りの会計帳簿類の資料を預かった上で、代表者様個人の破産手続申立書類が揃うのを待って、法人・個人同時に破産手続申立てを行いました。

本事例の結末
破産手続申立後、破産管財人が財産換価を行いましたが、特段見るべき財産が存在しなかったため、手続費用以上の財産回収はできず、債権者への配当はなされませんでした。
債権者集会が開催されましたが、一期日で破産手続廃止となり、代表者様の債務については免責を許可する決定が出されたため、事件終了となりました。
何らかの事情によりこれ以上の経営は困難であると判断される場合には、速やかに破産手続をとることが、債権者及び債務者のいずれにとっても望ましいと思われますので、早い段階でのご相談をお勧めいたします。