交渉・調停・訴訟などの経過
代表者所有不動産任意売却後の申立て
本事例の結末
(1)破産法人について
通常の業務とは別に、特殊な点は、県税事務所や市役所からの滞納処分による差押関係があった。
債権差押済みの不動産保証協会からの預入金の返還については、同協会の手続き次第となる。
信用金庫の出資金返還請求権の滞納処分による差押(法定脱退させないため、9割を差し押さえる。残1割が財団組み入れ)については、年度末決算の翌月となるので、破産決定時次第では、手続きの長期化を招く。処理の迅速化のために、同社代表者に譲渡する。
売掛金の回収不能の疎明資料が揃い次第、債権放棄許可する。
配当までの財団形成できず、異時廃止。
(2)代表者破産について
法定脱退による出資金の払い戻し請求権について、払戻時期前に破産者(親族)に債権譲渡
債権譲渡通知の内容については、信金からのアドバイスに従う。
サラリーマン時代の持ち株会幹事証券である野村證券からの投資信託MRF解約払い戻しについては、2支店にあること、管財に口座開設をする手間、費用に照らして、少額であることから、破産者に引き受けさせる(買取)。
過払い請求権の和解、時効にかかった過払い金返還請求権の処理。
異時廃止。
本事例に学ぶこと
信用金庫取引における出資金の処理(法定脱退)如何を考える。
滞納処分の差押の特殊性(企業の息の根を止めないよう、法定脱退させないための9割の差押)
早期の見極め、問い合わせ対応、想定時間ないし時期の見通しを立てることが重要。