飲食店、債権額約2,000万円の破産
【依頼内容】
飲食店、債権額約2,000万円、従業員数0(当初数名ほどいましたが、売上減少に伴い順次解雇)の会社です。
■法人破産の原因
年々売上額が減少していたことから、運転資金として銀行から融資を受けたものの、やはり経営状態は好転せず、廃業するに至りました。
ご依頼いただく数年前に、すでに店舗は閉店しておりましたが、法人の債務は残ったままとなっており、債務整理を行っておりませんでした。
【手続きの方針、結果】
■破産申立までに行なったこと
什器・備品類は、店舗営業を辞めた際に代表者自身が全て同業者に売却しておりましたが、
売却の際に、契約書を作成していなかったため、
売却物品と金額を、決算書や領収書などの周辺資料から確定させていきました。
また、会社が代表者個人に対して長期貸付をしていたことに加え、
代表者個人の借入の主債務者を会社に付け替えるという行為が複数回に渡って行われており、
その経緯や時期、金額等を、勘定帳元帳や通帳の記載からひとつひとつ洗い出していきました。
■破産申立て後の流れ
管財人が選任されましたが、引き継ぎ予納金として管財人報酬分がある他、法人の財産は皆無であり、財産の換価・配当の手続きはなく、数度の債権者集会を経て異時廃止で終了となりました。
代表者個人に関しましては、当初、法人の破産申立と同時に個人再生を申し立てておりましたが、途中で自宅を維持する必要性がなくなり、個人再生の申立を取り下げたうえで、代表者についても破産を申し立てるに至りました。
会社破産と代表者破産を一括して進めるため、この間、会社破産の手続きも約2か月の間進行を待ってもらいました。
■その他(尽力した点など)
小規模な会社ではよくみられるケースですが、会社の金銭管理と代表者個人の金銭管理とが同一になっていたため、両者を明確に分けるために、細かな聞き取りを何度も重ねる必要がありました。